ロックインジャパン2018 参戦記 その1 Bland Newな勝利のアンセム
その日は透き通るほど青い空と強い日差しが照り付ける、まさに「真夏」。予報では雨が降るかも、なんて言われたりしていたが、そんな予報はなんだったのかと言わんばかりに太陽が燦燦と我々を照らしていた。
overtureでテンションが上がった僕たちはじっと立っているだけでもその体力が削がれてしまう暑さも気にせずにその歌の始まりを待った。去年は怪盗少女でいきなり名刺を鋭く投げつけた5人。さあ、今年はどんなスタートダッシュを見せてくれるのか。期待に胸を躍らせていたところに聞き慣れたあの低音が響く。
流れるイントロはそう、BLAST!
去年は4番バッターを務めたこの曲が今年はトップバッター。
自然と周囲のノフたちは肩を組み合い、できあがる大きな円陣。短いイントロの終わりで自然とすっと解かれ、百田さんの「イェイイェイェイイェイ!」の声にみなクラップを始める。そう、去年、有安さんが歌っていたこのパートは百田さんの歌声へと継がれている。
百田さんの歌う「聴いときなBland New 勝利のアンセム What did you say?」というその歌詞にはっと気づく。そうか、今年のロッキンは4人での真新しい、まさにBland Newな勝利のアンセムでスタートか。去年とは全く違う新しい勝利の方程式か。そういうことか、勝ったな。間違いない、今年も勝ったぞ。そんな気持ちでゆっくりした「うーりゃ!おーい!」の心地よい響きに身をゆだねる。
うりゃ、のコールの厚さに今年も確信する。間違いなくこの場所は楽しくなる。今年も楽しくなる。
「ごちゃごちゃ今は全て捨ててこう 積み上げて来た事振り絞ろう」
そう、今はもうごちゃごちゃしたこたぁどうでもいい。そこにいる少女たちとすべてを振り絞り共有して楽しめばいい。結果は自然についてくるはずだ。僕たちが大好きなこのももいろクローバーZをみんな見てくれ!きっと好きになるはずだ!そんな気持ちで踊り続けた。照りつける太陽も気にせずに、サビで、頭上で大きく腕を回し踊りながら、僕らは新生ももいろクローバーZの、すでにライブでも何度も聞いて聞いて聞き慣れたはずのBland New Anthemに改めて酔い痴れた。
最後のあーりんの「Oh Yeah Yeah Yeah~」のフェイクに「BLAST! BLAST! BLAST!」と応えながら、最後、あるものは弓を放ち、あるものはドリブルし、あるものはバーベルを挙げ、あるものは天を指さしながら、すでに戦い切ったかのような満足感をみな得ていた。
そう、この時はまだ我々は気が付いていなかったのだ。ももクロが僕たちに生きるか死ぬかの大勝負を挑んできていることに。
「暑いせいかなー。いつもより疲れたような気がするなー」という違和感を胸に僕らは2曲目を待った。
どうなる、ももクロ。どうなる、モノノフ。次回へ続く!