ロックインジャパン 参戦記 その4 眩しい太陽が嫉妬したから
ポカリスエットを見事にサークルで紛失し、「もはやこれまで、ひたちなかで僕は死ぬ。ももクロを見ながら」という覚悟まで決めたココ☆ナツ。
しかし、神はすぐそばにいた。超絶イケメン自転車乗り男、たっぴ~である。
彼がMCの間にいなくなっているのは何となく気が付いていた。その彼が袋に何かを詰め込んで帰ってきた。その袋をどさっと目の前に置くと、「はい!死んじゃうから!」とポカリスエットを手渡してくれたのだ。
そう、彼はMCの時間を利用して周りの人間のためにポカリスエットを買ってきてくれたのだ。なんとイケメン。なんと神。もう抱かれてもいい。そこまで言いかけて隣の娘と目が合い、口をふっとつぐんだ。
この給水により息を吹き返した我々に、ももクロさんが聞かせてくれたのは、この夏の新曲「Re:Story」だった。
少し疲れた体にちょうど良いミディアムテンポのメロディー、そして、風のように心地よく通り抜けるももクロの歌声。コールもフリコピもサークルもいらないこの曲に少しだけ体を揺らしながら、突き抜けるくらいに青い、青い空を見上げた。
「君が直ぐそばに居てくれたら まぶしい太陽ですら嫉妬してしまうほど」
彼女たちがそう歌った刹那、まるで僕たちの直ぐそばにももクロの4人が居てくれることに太陽が嫉妬しているかのように少しだけ雲にその顔を隠した。海から吹き抜けるやさしい潮風が、どこまでも4人の歌声を運んでいた。
ミディアムテンポのメロディーとやさしい歌声と太陽を隠す雲と潮風、そして冷えたポカリスエットで息を吹き返した僕たちは静かに青い空を見上げながら次の曲を待った。
(次回へ続く)