㍿こんにちあーりん🌷

妄想創作を業務とする会社です。前四半期も利益は全くありませんでした。

Grenadeに寄せて

2018年6月24日、横浜アリーナでAYAKANATION 2018が開催されました。あーりんワールド全開、ピンク一色で横浜アリーナだけはまさに非日常の夏のバカンスといった最高のコンサートだったと思います。

さて、その中で「Grenade」という曲が披露されました。この曲、もしかしたらあーりん推し以外の人にはなじみの薄い曲かもしれません。というのもこの曲、TeddyLoid氏のコラボレーションアルバム「SILENT PLANET」に収録されている曲なのです。様々な著名人とのコラボレーション曲がそろう中、あーりんは「Grenade feat. 佐々木彩夏 from ももいろクローバーZ」という形で参加しています。*1

 

SILENT PLANET 【初回限定盤】

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 この曲のタイトル、「Grenade」はフランス語で「柘榴(ざくろ)」という意味です。読み方は「グラナデゥ」です。*2

ざくろ?なんで?と思った方も多いかと思います。僕もそう思いました。とあるフォロワーさんがその意味を教えてくれるまでは。

歌詞をよく聞いていると、2コーラス目で「口に含んだ4粒の柘榴が」という一節が出てきます。これがどうやらポイントのようです。これを読み解くにはギリシア神話を開かねばならないようです。*3

全知全能の神として知られるゼウスと、春をもたらす豊穣の女神として知られるデメテルの間にはコレ―という娘がいました。

ある日、コレ―がニューサと呼ばれる山で妖精たちと花を摘んでいました。するとそこに、ひときわ美しい水仙の花が咲いており、これを摘もうとコレ―は皆のもとを離れました。その時、急に大地が裂けて、黒い馬に乗った冥王ハデスが現れてコレ―を連れ去りました。

ハデスはコレ―に恋をしてしまい、実はゼウスのもとに事前に「お嬢さんをください!」とあいさつに行っておりました。そして、ゼウスも独断で「どうせデメテルに聞いてもうんとは言わんし、わしがなんとかするから結婚してよいぞ。」と許可を出していました。ハデスはどうも女性の扱いには不慣れでどうアプローチしていいかわからなかったようで、少々強引に水仙の花を使ってコレ―を引き付けて連れ去った、とも。

さて、この連れ去りを知った母デメテルは怒り心頭。「あたしゃ知らないよ、娘を返せよ」という話になります。ところが、まあ結婚を許してしまった以上どうしようもできないゼウスは「いや、まあ、ハデスは冥王だし、地位もあるし、それならまあいいんじゃね?」と全く取り合ってもくれないのです。これに怒ったデメテルはオリンポスを去り、地上に身を隠し、世界は、一切実りのない不毛の土地となりました。

一方、連れ去られたコレ―は冥界でペルセポネと呼ばれ、ハデスらによってそれはそれは丁寧な扱いを受けておりました。しかし、まあ、無理やり急にこんなくらい地の底の冥界に連れ去られたものですから、いくら丁寧に扱われてもハデスの「結婚してくれないか」というプロポーズに決してYesと答えることはありませんでしたし、出された食べ物にも一切口をつけることすらありませんでした。

さて、実りのなくなった世界を憂うオリンポスの神々。ゼウスは困り果ててヘルメスを冥界へと使いに出し、ペルセポネを返してはくれないかと説得します。その説得にハデスは仕方なく応じペルセポネを解放します。この時にハデスは「腹減ったべ」と柘榴の実をそっと差し出します。それまで頑なにハデスを拒み続けてきたペルセポネですが、空腹には勝てず「すまん、辛抱たまらん」と12粒あったうちの4粒ほど、その柘榴を口にしたのです。

デメテルは娘の帰還を喜びオリンポスへ戻ります。ここでデメテルは娘に尋ねます。「冥界でなんか食べたりしなかった?」と。ペルセポネは「柘榴食べちゃったし、でも4粒だし、なんか食え食えうるさかったし、おなか減ってたし。」と素直に答えます。

さあ大変。何が大変って、神々の間では「冥界の食物を口にしたものは以後客として扱われ、冥界へとどまらねばならない」という鉄の掟があったからです。これに関してはすべての神々の合意の上で作り出された掟なので、ゼウスも手出しできません。この掟に従ってペルセポネはまた冥界へ戻らなければならなくなりました。

もちろんデメテルは抗議します。「いや、ハデスな、お前そもそもうちの娘、無理やり拉致してるわけだしな、腹減ったとこに無理やり食わせたんちゃうの?うちの娘もそう言うとるわ。」

困ったオリンポスの神々は会議を開き、「まあ、無理やり食わせたとこもあるみたいだし、んじゃ、12粒あった柘榴のうち4粒食べたから、12か月のうち4か月だけ冥界に嫁に出す、ってことでどうでしょうかね。」と妥協案を提案、ゼウスとハデスもこれを受け入れる形で、ペルセポネは毎年4か月だけ冥界に嫁入りをすることとなりました。

デメテルも仕方なくこれを受け入れましたが、娘を冥界に送っている4か月を嘆き悲しみながら過ごし、実りをもたらすことをやめるようになりました。それが、冬という季節になったのです。そして、毎年ペルセポネが返ってくる時期になるとデメテルはまた喜びを爆発させるように大地に実りをもたらすようになりました。そう、これが春です。

泣きたいよりも悲しすぎたから

色のない暗がりで世界中の時を止めてた

誰かを、何かを失った悲しみが、心に深い冬をもたらす。

しかし、やがて春がまた来る。冬の後には必ず春がやってくる。

今、君と出会ったから、希望という名の君と共に、また春の青空を歩き出そう。

もしあの日君に会わなければ あの日君に会えなかったら 

こんな こんな 青空も知らずにいたよ きっと

そんなことをギリシア神話をベースにあーりんが歌っている隠れた名曲です。

ぜひ、お聞きください。

※先にも言いましたがギリシア神話には諸説ありますし、それらがごちゃ混ぜになっている可能性があります。私もそういった断片的な資料に基づき記述しています。また、本ブログではその内容に一部脚色も加えていますのでご了承ください。正確な内容について知りたい方は成書などに当たられることをおすすめいたします。

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*2:ももクロくらぶ2015年12月6日放送回であーりんが曲紹介でこのように発音しています。

*3:ギリシア神話はいろいろな語りや派生があって、一つのエピソードにも諸説があります。そういった派生を見つけて研究している方が専門にいるくらいですので、これはあくまでその中の一つとして読んでください。