ロッキンジャパン2017参戦記 第9回「世界の未来へ響け」
忘れたころに最終回を迎えるロッキンジャパン参戦記。
Chai Maxxも終わり、曲数から考えてもそろそろ終わりが近いころだ。次は何で来るのだろうかと考えていたら、あの特徴的なイントロが流れ出した。
「桃色空」
それまでの高い熱を持っていた僕たちの額を手でそっとやさしく包み込んで冷ましてくれるかのような歌声。今日一日の楽しかった思い出が一気によみがえる。
ステージではあーりんが身をよじらせるように柔らかい曲線を描きながら踊る。20歳を超えた大人になった今だからこそできる表現なのかもしれない。
間奏に入り、バンド紹介が始まる。この瞬間に、ああ、やはりそうか、もう終わってしまうのだな、という寂しさが襲う。いつまでも歌っていてほしいが、それも叶わない永遠なのだ。
あいにくの曇天で、桃色空とはいかないグラスステージだったが、我々の心の中にはピンクの夕焼けが広がっていた。堂本剛さん、本当にいい曲をありがとう。そう思いながら、ただただやさしい歌声に身をゆだねていた。
曲が終わり、メンバーとDMBが一列に並ぶ。そして、マイクを下ろし、いつものようにマイクなしの生声であの子たちが叫ぶ。
「今日は本当に、ありがとうございましたー!」
ひたちなかに響き渡るその声は、どの現場で聞いたありがとうよりも遠くまで響き渡っていたように思われた。
深々と頭を下げるあの子たちに僕もまた、しっかり頭を下げた。
「ありがとうございました!最高のステージをありがとうございました!」と。
僕が頭を上げてもなお深々と頭を下げているあの子たち。いつだって変わらないのだ。いつだって、僕たちに深々と頭を下げてくれて、いつもいつもありがとうって思っているのはこっちなのに。そう思うと、自然と視界が涙でかすむ。今日だけはそんな涙も拭わずにあの子たちを見ていた。
メンバーはそのままステージを降りていく。最後までみんなに手を振りながら。
ふと振り返る。周りにはカラフルな人たち。みんな、涙を浮かべながら最高の笑顔だ。これだ。ももクロの後に笑顔が残る。これがももクロのスタイルだ。
知り合いもいればそうじゃない人もいるが、みな、自然と手を挙げて、次々に「お疲れさまでした!」とハイタッチを繰り返す。
なんだろうか、やり切ったな、出し尽くしたな、という満足感から自然とアンコールも発生しないまま、ハイタッチを繰り返しながら歩きだす。
シートエリアの拠点に戻ると、みなが口々に「最高でしたね!」と言う。というか、みな、「最高」以外の言葉を見つけられないくらいの最高のライブだった。
そこで、仲間の一人が携帯の画面を見ながら泣いていた。ノフではないと思われる人たちが、楽しかった、かっこよかった、かわいかったと口々にほめてくれる様子を、ツイッターで見て、うれしくなり泣いていたのだ。(下記モーメント参照)
僕はきっとこの日を忘れないだろう、茨城の地でももクロがノフも非ノフもごちゃごちゃに集めてただひたすらに歌い踊り、優勝*1した2017年8月11日を。
ももいろクローバーZのみなさん。茨城で最高のステージ、ありがとうございます。
— あーりん推しやす (@Arin_Yasu) 2017年8月11日
あなたたちの歌声がこのひたちなかの空に響き渡った今日と言う日、絶対に忘れません!
ありがとう、ももいろクローバーZ。ありがとう、あーりん。
また、来年、ここで会えるといいね。
……いや、また、来年、ここで会おうね。
そう誓いながら、僕は夢であった急行ロックインジャパン号で家路についたのだった。
急行ロックインジャパン pic.twitter.com/EXqLm8wE8D
— あーりん推しやす (@Arin_Yasu) 2017年8月11日
急行ロックインジャパンに乗って帰るのが夢だったんだ。いつか、ロッキン行こうって。それが、ももクロさんで実現した。ありがとうももクロさん。
— あーりん推しやす (@Arin_Yasu) 2017年8月11日
(完)
*1:オタク特有の言い回しであり、何かに勝った優勝ではなく、ただただすごかったという誉め言葉である。もちろん、ロッキンは何のコンテストでもないし、他の出演者を負かしているというわけでもない