ロッキンジャパン2017参戦記 第8回「闘ってこその新境地」
労働讃歌の余韻もそこそこに次の曲が始まる。
そう、この終盤にきての「Chai Maxx」である。誰もがもうそろそろバラードだろうと予想していただろうこの終盤にきても、彼女たちは一切攻撃の手を緩めることはなかったのだ。
振り返ってみてほしい。
怪盗、マホロバ、サラバ、BLAST!と攻めに攻めて、もっ黒で少しゆったりと体を揺らしながらも、その後にワニシャン、労働と全く攻撃の手を緩めることなくきた彼女たちがまだまだこんな超攻撃的選曲で畳みかけてきたのである。
一斉にみんなが「頑張っChai Maxx!」と腕を振り上げる。
「勇敢な挑戦者たちがリングサイドに現れた!」の歌詞に彼女たちの今日の思いをまた重ねる。いくら有名になろうと、いくらライブで数万単位のファンを集めようと、彼女たちの根本はここなんだ。いつだって挑戦者なんだ。*1いつだって彼女たちにとってはステージは全力の勝負なんだ。
当然、我々も応酬していくしかない。ここまでくればもう何も怖いものはない。なに、この後倒れても誰かがきっと運んでくれるさ。ならば全力でももクロさんと対峙するだけだ。な、そういうことだろ?あーりん?そうだ!Dance or Dieだ!一緒に星をつかもう!
そんな気持ちを胸に最後の最後、ぶっ倒れてもいい覚悟でChaiMaxxに挑む僕。
「手強すぎる夢は 最高のパートナーでライバル!」のあーりんの歌声に厚くあーりんコールが入る。当たり前なのかもしれないが、歌いだしの第一声までの無音部分でも誰も迷いなくコールを打つあたり、PA卓前にノフ達は手練れが多いと最後の最後まで感じた。
サビ前の「Gong!Chime、MAX!」で皆が合図のように大きくを手を回す。さあ、来るぞ!…そして、サビ。ここでもフェスでなければ見られない特異な光景が繰り広げられた。
「ほーんきで本気で本気で本気で!」の瞬間にヒゲダンスをしながらみんなが大きく輪になりはじめ、振りコピをし始めたのだ。そう、みんなが「チャイマサークル」を形成し始めたのだ。
もう参加しているひとがノフかどうかなんてよくわからないけれど、パッと見でノフっぽくない格好の人も数人いただろうか。みんなが中央に向かって振りコピをする。普段はチャイマのオーイングなんてしない僕も、この圧倒的なハイテンションにあっては、さすがにみなとともに声を上げたほどだ。しかも、みんな推しがバラバラなので当然振りコピも、前に倒れる者、後ろに倒れるもの、みんな不均等なのだが、そんな予定調和ではないバラバラな感じも実にフェスだ。
「はいっせーの!オイ!オイ!オイ!オイ!」の掛け声が一斉にサークルの円周から発せられ、きれいに中心へと吸収されていく。こんな楽しみ方は、申し訳ないが初めての経験だった。
びゅんびゅんびゅんびゅん!もスペースが広大なのでなんの遠慮もなくみんなで好きなだけ回れる。
最高にクルリンチラリンキラリンスルリンな1Roundが終わる。
当然だが2Roundも「ほんとのほんとの…」でまたサークルを形成。そのままの勢いでぐんぐんぐんぐん!も回転したのちに、一進一退一勝一敗2Round!のあーりんの声とともに精一杯の推しジャンを決めてから間奏に突入。
間奏もみなが一斉にヒゲダンスを始める。どうやら最初はよくわかっていなかった非ノフと思われる人も見よう見まねでヒゲダンスをやっているようだ。
PA卓前のノフはといえば、3回目のヒゲダンスであーりん推し、夏菜子さん推し、れにちゃん推しが揃って指を上に上げながらわちゃわちゃするあたりもみんなしっかりしている。
そして、Dメロのソロパート。ここはもう、自分の推しが大好きな人たちによる大声合戦(笑)かのようなコールが入る。最後の最後まで誰も手を抜かない。僕もまぶしくてユニフォームまで溶けそうなあーりんに精一杯の声を届ける。
「まだ開いてない私の未来と MisMatch GameだってSuccess Dreamを 闘ってこその新境地を目指せ 敵は自分の中にあった」
ラスサビの歌詞を聞きながら、僕はチャイマサークルの一角で涙していた。
「かなえたいVisionに限界はないんだから」
その一言がこのステージにつながったんだな、きっと。僕がまだテレビや動画でしか見たことないころからこの子たちは、Success Dreamを描くため新境地を目指して闘ってきたんだ。
そう思ったら、こんなハイテンションな曲の中でなぜだか涙が止まらなくなった。
涙を拭きながら腕を振り上げる。
最後に「同志Chai Maxx?」と問いかけられ、大丈夫、僕たちは君たちと志を同じにする、まさに同志だよ。そんな気持ちで僕は涙を拭こうともせずにラストのあの、キメポーズを作った。
はじめはおいおいどんだけだよ、と思っていたロッキンレポも残すは1曲。
次回へ続く。
*1:あ、これは新曲のカップリングとは無関係。笑