ロッキンジャパン2017参戦記 第7回「ビッカビカに輝け!」
さて、夏の定番ともいえるワニシャンも終了。
ひとしきり飛ぶだけ飛んだ我々の前にリーダーが問いかける。
「おいお前らー!」
その一言に会場が一瞬の静寂ののちにざわめく。
「ロックってなんだー! 」
一瞬にして空気が変わる。会場もどよめく。ロッキンに現れたアイドルがロックとは何か?という根源的な問いを投げかけた。そのどよめきをよそにさらに畳みかけるように問いかける。
「アイドルってなんだー! 」
そう、そこにいるロックンロールファンに向けての挑発だ。日本最大級の邦楽ロックフェスの舞台。そこに立つアイドルとしてロックファンに向けた強烈なメッセージ。アイドルとしての矜持を賭けた舞台。その意思表明はさらに続く。
「食わず嫌いだったんじゃないのー? いいか?目の前のものだけ信じろー! 」
今までアイドルというレッテルだけで見ようとしてこなかった人への挑発ともとれる、しかし、今、ここで自分たちは絶対的に全員を楽しませるんだという決意、このステージを観た人に「たかがアイドル」と言わせない矜持、そして、自信に満ちたメッセージ。
そうか、これがあのロックなももクロだ。数多のアウェイの洗礼を浴びながら折れない心と闘志で人々を魅了してきたももクロの、あの眠っていたスピリットがまたここに開花した!たとえ何万人をスタジアムに集めるクラスになっても、貪欲にGRASS STAGEにいる今までファンでなかった人たち、未だももクロを知らぬ人たち全員を取り込んでやろうという気迫に満ちた言葉。
「食べてから決めろー!」
リーダーの言葉がひたちなかに響き渡ると同時にあの聞きなれたイントロが流れる。そう、労働讃歌だ。
ここでも「1!2!3!4!」で気合十分の我々は、サビ前のあーりんの「さあー行くぞーーー!」の煽りにモノノフのテンションが上がる。
PA卓前のだれもが「お前ら大丈夫か?」というくらい深いスクワットを繰り返しながら拳を天に突き上げる。スクワットを知らない非ノフも、夏菜子さんの「拳上げろー!」の煽りに乗せられ、ももクロの振り付けを見よう見まねで拳を上げる。*1ノフも非ノフも関係なく会場が一つになっているのが手に取るようにわかる。僕は国立の労働が今までの中で最高の労働だと思っていたが、もしかしたら今回はそれを超えるものかもしれない。
最高だ。ももクロよ、ビッカビカに輝いてくれ!そんな気持ちで2サビが終わる。
「1!2!3!4!」の掛け声がこだまするし、杏果とあーりんのソロダンス。ももかの踊りと同時に歓声があがる。そしてあーりんのダンス。推しの一挙手一投足に会場中が注目する瞬間。「そうだ!これが佐々木彩夏だ!みんな見たか!」と思わず誇りたくなる瞬間。
「試すか?」「どうする!」
「やめるか?」「負けたら?」
「こわいの?」「なめんな!」
の掛け合いも心なしかいつもより厚くしっかりと揃っている気がする。
「やーってやろうじゃねえのよ ガッツリ!!」
このあーりんの歌声は今日のロッキンのあの子たちの決意表明にも聞こえた。
そしてしおりんの「そしたら全員叫ぶぜ!?」で「オッケー!」と叫んだ瞬間に、そうだ、俺たちノフも含めてみんなでやってやろうじゃねえのよ。この会場を飲み込んでやろうじゃねえのよ!そんな気持ちが先ほどまで以上に沸き上がってきた。
「時代はいつでもぐーるぐる!」のシュプレヒコールもきれいに決まった。
今、それがチャンスだってわかる。バッチバチに輝け!
そんな気持ちとともにラスサビでもひたすら深く深くスクワットを繰り返す。
この会場の後ろの後ろ、なんならテントサイトにまでプライドとハートでガッツリ歌声届いたはずだぜ!ももクロちゃん!
最高の「労働 For You & Myself!」でガッツポーズを決めて余韻に浸っていた。そう、一瞬だけ。その余韻も次の曲のイントロの前ではすべてがまっさらになるのだった。
さあ、いよいよ残すはあと2曲。
次回へ続く。
*1:正確にはこの人たちが非ノフだったのかどうかは本当のところは聞いたわけではないのでわからないけれど