㍿こんにちあーりん🌷

妄想創作を業務とする会社です。前四半期も利益は全くありませんでした。

ロッキンジャパン2017参戦記 第1回「ももいろクローバーZ、ひたちなかに立つ」

2017年8月11日。場所は国立ひたち海浜公園ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017。

結成9年目を迎えたももいろクローバーZが初めてそのステージに立った。茨城在住の僕としては、あのももいろクローバーZが、この茨城の地でロッキンのステージに立つというのが夢であっただけに、もうその発表を聞いた瞬間から間違いなくこのステージは見なければならないものだという絶対的な「信念」みたいなものがあった。

ここでももいろクローバーZがロッキンに参戦、という知らせを受け取った日の僕のツイートを振り返ってみる。 

 

このツイートからも僕のワクワクぶりがうかがえるだろう。そう、茨城の地で行われる日本最大級の邦楽ロックフェスにももクロが出演してくれたらどんなにうれしいことかと待ち望んできたのだ。それが、やっと実現するのである。

「無条件で行くしかない」

恥ずかしながら茨城に住みもうかなり長くなるのだが、ロッキンには行ったことがなかった。いつか行こう、行こうと思いながらなかなか行くことのできなかったロッキン。しかし、今回は何の迷いもないのだ。なぜならわれらがももいろクローバーZが登場するからだ!

とりあえずは仕事のシフト希望調査のカレンダーをめくり、8月11日に×をつけて、あとは何も考えず当然のごとくチケットを申し込んだ。

チケットは拍子抜けするほどあっさり確保できた。さあ、あとは8月11日を待つばかり。もちろんその間にもももいろクローバーZは動き続けており、いろいろな現場に僕も駆けずり回ることになるわけである。しかもロッキンの前の週は夏のバカ騒ぎである。ももクロも我々もなんとも忙しい夏である。

そして時は過ぎていき、いよいよ明日がロッキン。もう楽しみで仕方ない僕の浮かれポンチぶりはこのツイートからも伝わるであろう。

だが、本当に嘘偽りなく、この子たちは全力で歌い、踊り、魅せてくれたのだ。このブログはその、ももいろクローバーZ初のROCK IN JAPANのステージを観戦していた僕の大いに主観だらけの記録である。 

主に観戦していた僕らの話が主眼となってしまう点はご容赦願いたい。

 

さて、当日。早起きして最寄りの駅へ向かう。そう、茨城県開催の利点は何といっても電車1本で現地に向かうことができる点である。東京ですら何本か電車を乗り換えてライブ会場へたどり着くことが多いのに、こともあろうに常磐線1本で最寄りからライブ会場へ向かえてしまうのである。こんな喜びがあるだろうか。それだけですでにもう勝った気分だ。

常磐線に乗り、東京から乗ってきたオタク仲間と合流ののち、勝田からシャトルバスでひたち海浜公園へ。

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バスを降りた瞬間に広がる景色は非日常そのもの。

「ああ、これがロッキン……!」

そう思いながら中へ入ると、もうすでに仲間がシートエリアに場所を確保していてくれた。エリアに荷物を置かせてもらいまずは乾杯である。

 

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まだ何も見ていないっていうのに、やだ、なにこれ、楽しい!

まずは朝一でチームしゃちほこのステージを見に行くことに。この時点でもう楽しさしかない。しゃちの元気なステージでこちらもウォームアップ完了。

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ベーコン串(500円)もいただきみんなとグラスステージのHIATUSさんやNICO Touchesさんの音楽を聴きながらまったりと過ごす。やばい、もう今楽しすぎる。

そして、いよいよお昼を過ぎ、ももクロさんの一つ前に当たる、クリープハイプがグラスステージに来ようかというタイミングに。この時点でみんなが少しずつ動き始める。

「どうします?どこで見ます?」「あまり前だと人が詰まってるし、ステージも高いし、ここは広そうなところに陣取りましょう。」

転換のタイミングでみんなでそんなことを考えつつ、いい位置を探しながらクリープハイプの音楽を楽しむ。

いよいよクリープハイプの演奏が終わり転換に。その間に我々は何となく目星をつけていたステージから見て中段くらいやや上手よりにあるPAテント前に移動する。ステージも目線よりやや上の高さで見やすいし、遠すぎない。そして、なによりスペースがある。気が付けば知り合いはもとより、知り合いではないがどこかで会ったことのある人などなど、たくさんのノフが集合していた。

まだ何も始まっていないのにすでに高揚感で胸が高鳴る。これからあそこに我らがももいろクローバーZが登場するのである。

ステージの上を見上げると、今までの氣志團などのフェスでは見慣れないバンドセットが組まれているのである。ははーん、これは、もしかしてももクロさんやってくれたな?バンド連れてきたな?とその場のノフはざわつき始める。その様子を見ていた非ノフも小さく「え?バンド?」と声を上げたりする。

そこに満を持して現れるダウンタウンももクロバンド(DMB)!

ノフのテンションは一気に高まる。「あ、今日はこれ、勝てるやつだ」みんなが一斉に思ったはずだ。

その刹那、バンドがリハーサルを始める。音が出始めた、と思ったら「ザ・ゴールデン・ヒストリー」の演奏が始まる。「え?今、まさか曲を弾くの?」誰もがそう思いながら聞いているが、ノフの戸惑う姿などお構いなしに曲は続く。悟ったノフも、ももクロのいないステージに向かい、DMBの演奏に合わせて「ヘイ!」と誰もが高くジャンプする。

DMBもモノノフも最高のリハーサルを終えたかに思えたその瞬間、バンマスのヘイヘイ氏による青春賦。誰もがその優しいピアノの音色に聞き入りながら、興奮を隠して静かに開演を待つこととなった。

しばらくして、会場のビジョンには次のアーティスト紹介のVTRが流れ始める。「ももいろクローバーZ」の文字。そして流れ始めるovertureのイントロ。

「あーーーー!よっしゃももクローーーーー!」

僕はその声量に驚いた。確かに、いつでもこのovertureの声量はすごいものがあるのだが、今回のそれは今までの比ではない厚み。もう、最高の一日になる予感しかない。

カウントダウンののちにいつもより厚みのある「うりゃ!」に呼応するこれまた厚みのある「おい!」の繰り返すうちに、ももいろクローバーZが登場。

そう、その姿はまさに「ももいろクローバーZひたちなかに立つ」である。

当然、会場のボルテージはMAX。さあ、ももクロさん、一発目は何をぶちかましてくれるんだい?そんな期待に胸を躍らせていた瞬間、ノフなら誰もが聞きなれた、いや、ノフでなくても聞きなれているであろうあの曲がいきなり流れる。

『Yes! Yes! We're the ももいろクローバー!』

その瞬間に歓喜の声が一斉に上がる。

怪盗少女といえばももクロももクロといえば怪盗少女というくらいの代表曲にして最大の自己紹介曲。まさにこれぞ「ザ・ももクロ」という曲。その曲を1曲目に持ってきたのである。

僕はそこで悟った。

「この子たち、後ろの全員を獲りに来たな。ここからは見えないけれどおそらくは後方までびっしり埋まったであろう人たち全員を5色に染めるつもりでここに来たな…。」

そうなれば僕らのやることはただ一つ、フェスの利点を生かし、この広いPA前で沸いて、沸いて、沸き倒して、周りを巻き込んで、ももクロが楽しいんだって精一杯見せつけてやろう。僕たちが大好きなももいろクローバーZを好きになってもらおう!フェス、つまり今日は祭りだ。ならば、僕たちはももクロを乗せた神輿を担いでまわる役になろう。そう覚悟を決めた。

「レニ、カナコ~↑↑、シオリ、アヤカ、モモカ!」の時点でオタクが跳ねまくる。当然、僕もアヤカのタイミングで跳ぶ。やばい、もう楽しい。

杏果の歌声ののちに、ノフそろってのファーストコールである「あー!ももかー!」の声がひたちなかの空に大きく響き渡る。

「今日はもう勝った、何に勝ったかはわからないけど、これ、勝ったよ、ももクロさん!」そんな高揚感が僕らを包む。

ツーコーラス目の「春、夏、秋、冬」もいつもはあんまり見られない推しジャンがそこここで発生している。なんて濃いメンツが集まったんだ!そう思いながら、僕も「夏!」でかがんでからのジャンプを繰り出す。

ツーコーラス目が終わって「3,2,1、Go!」も決めて、間奏である。8カウントとっていつもの大天使様口上のタイミングでなぜかノフが集合し始める。わからないまま僕も集まる。自然とサークルが出来上がる。その次の瞬間、「あー!よっしゃ!#$%&#~!」とみんながサークル中央に向かって思い思いに推しへの口上を叫び始める。

もうはっきり言って自分の声すら聞き取れないカオスな状況。自分の口上が合っているかどうかすらわからないが、みな、ひたすらにサークル中央に叫び続ける。そして、「叫べ!我らがあーりんわっしょい!」と僕が叫んだ次の瞬間に、それまでバラバラに叫んでいた声がももクロMIXで「れに!かなこ!ももか!しおり!あーりん!いくぜっ!ももいろクローバー!」と一致したのである。

いや、当たり前だろ、と見ていない人は言うだろう。確かにここはももクロMIXの打ち場。揃うのも当然という話だ。今までもそうだったはずなのだが、しかし、今回ほど一体感を味わったことはなかった。なにせその瞬間にあまりの感動に鳥肌が立ったくらいだ。

なぜなら、それまでみなが思い思いに推しにだけ向けていた、カオスな口上のベクトル合戦から、一気にももクロMIXでみんなの声が同じ一つの大きなベクトルとなりステージの上のももいろクローバーZのメンバーへと向かったから。たくさんのノフの声が大きな一つの愛の塊になってももクロのところへ飛んでいくのが見えたから。

そしてMIXの打ち終わりの「ももいろクローバー!」のあとに一瞬の静寂。その中を割って入る夏菜子さんの「無ー限にひろがるー」の声。ある紫は背面ケチャをうち、ある赤は静かに推しを見守り、横のピンクはあーりんと同じようにやや決めごとのように軽めにケチャを打つ。いつも以上の自由な落ちサビを経て、「歴史に刻むはその飛翔!」からのエビぞりジャンプである。そう、今日、ももいろクローバーZはロッキンの歴史にその名を、その飛翔を刻んだのである。この瞬間は普段叫ばない僕も「歴史に刻むはその飛翔!」を叫んだくらいだ。

アウトロの「レニ、カナコ~↑↑、シオリ、アヤカ、モモカ!」で心地よい推しジャンを決め、君のハートめがけてSing a songしたももクロさんたちを見つめる。

いつものように少し肩で息をしながら目に丸く指で眼鏡を作りながら笑顔で客席を見つめる。その時には僕にはわからなかったがすでにその段階で遠く後ろのテントエリアに至るまでの満員御礼だったその景色を、あの子たちはどんな気持ちでその指の丸の中から眺めながらこの曲を歌い切ったのだろうか。推し量るにも推し量り切れない万感胸にこみ上げるものがあったに違いない。

我々も肩で息をしながら次の曲を待った。

…と、ここまで書いてまだ一曲目!どうなる?ももクロッキン参戦記!

次回へ続く。